イルカの知性と知覚について詳細がわかるにつれ､数々の国が娯楽目的のイルカの飼育を禁止しています。
イルカの飼育を禁止した事例を紹介します。
1982年 アメリカ合衆国：サウス・カロライナ州
1982年 活動家のマークバーマンは､海洋哺乳類の飼育を禁止する初の州法が可決されるよう支援しました。コロンビアのリバーバンクス動物園がアシカの展示計画を発表した後､2001年に州当局は保護を鯨類のみに限定し法律を改正しました。バーマン氏は「この法律が変わらないよう一生懸命まもります」と2013年に述べました。
1992年 ハンガリー
アルメニアン・ウィークリー(英字週刊誌)によると､ウクライナから違法輸入されたイルカ5頭のうち1頭が移動中に死亡。もう1頭が到着後1週間以内に死亡した後､1992年ハンガリーでイルカが飼育されていた最後の水族館が閉鎖､イルカの輸入も禁止されました。
2002年 アメリカ合衆国：ハワイ州
2002年 開発業者がマウイショッピングセンターにイルカを飼育する水族館建設を提案したさい､パシフィック・ホエール・ファンデーションおよび他グループは､捕獲されたクジラまたはイルカの展示を禁止するようマウイ郡評議会にはたらきかけることに成功しました。
2005年 コスタリカ共和国
2005年7月 コスタリカ政府は新しいクジラ目の規制を定め､海洋哺乳類を捕獲し殺す､飼育､触れる､エサを与える､罠にかけることを「厳禁」にしました。
2005年 チリ共和国
2005年1月 チリの法律は改正され､”展示または人による利用に関連するその他目的のため”のクジラ目の捕獲や輸入を禁止しました。
2009年 ボリビア
2009年 ボリビア政府は､サーカスやその他の公演会場での全ての動物の使用を禁止する法を世界で初めて制定しました。ガーディアン紙によると､この法律は英国のアニマル・ディフェンダーズ・インターナショナルによる調査の結果､ボリビアのサーカスで広くはびこる虐待が見つかり､可決されました。
2009年 クロアチア共和国
2009年にクロアチアの国立自然保護研究所は､商業目的のクジラ目の捕獲を禁止しました。 病気や負傷した動物のリハビリと自然環境へかえす目的のみ免除されます。
2011年 キプロス共和国
2011年6月に非営利団体アニマル・レスポンシビリティ・キプロスは､クジラ目の輸入を禁止するキャンペーンに成功。同グループは､1999年に島国で唯一のイルカを飼育していたアヤナパ水族館の閉鎖にも成功したと述べています。 以来､イルカショー開催の申請は当局によって却下されました。
2012年 ギリシャ共和国
アニマル・ディフェンダーズ・インターナショナルとギリシャの動物福祉基金によるキャンペーンにより､2012年2月ギリシャ政府はイルカの飼育のみでなく､サーカスでの全動物の使用を禁止しました。ギリシャの法律では､「娯楽ゲーム､サーキット場､コンサート､展示､博覧会やその他の芸術や娯楽のための催し」での動物の使用が禁止されています。
2013年 インド
2013年にインドの環境・森林省は､一般向けの娯楽のために捕獲されたイルカの飼育を禁止しました。 動物園の監督を担当するインド政府機関のB.S.ボナル氏は､クジラ目は一般的に飼育下ではあまり長く生きれないと声明を発表。
「飼育下に閉じ込めることは､彼らの行動を変え､極度の苦しみを引き起こし､全クジラ目の福祉と生存をひどく損なう可能性があります」とボナル氏。 同省は､「イルカは人間ではない“人間”と見なされるべきで､権利を有するべきだ」と宣言しました。
2003年 ニカラグア
2003年2月2日､ニカラグアの環境大臣であったジョージ・サラザール・カルデナル氏は､世界動物保護協会への手紙で､同国がバンドウイルカの使用と利益のための利用を無期限に禁止したことを知らせました。 同氏は､「この法律はニカラグアでこれらの動物が完全に保護されることを保証する」と付け加えました。
2014年 アメリカ合衆国：カリフォルニア州
2014年2月24日､すべてのイルカが自由の権利を持つべきであるという声明の申告がマリブ市議会によって可決され､その後市長のジョーン・ハウス氏によって署名されました。「クジラとイルカは非常に知的で感情的な生き物で知られており､したがって自由と命の権利をもつに値する」と同氏は宣言しました。
3月6日､カリフォルニア州議会議員のリチャード・ブルーム氏は､「捕獲した野生のシャチや飼育下で繁殖されたシャチを飼育すること､または娯楽目的で使用すること」を違法とするシャチの福祉・安全のための法を導入し､国際的なニュースの見出しになりました。 この法案はカリフォルニア州で飼育中のシャチの繁殖と人工授精も禁止するものです。
2013年 スイス
2012年3月､国民議会が「水族館や娯楽目的でのイルカの飼育」を禁止する法案を可決、飼育に反対する人々にとって大きな勝利でした。スイス上院も､イルカの輸入を禁止しました。
2019年 カナダ
2019年､カナダはクジラとイルカの飼育を禁止する法案S-203を可決しました。この法案は､カナダ全体のクジラ､イルカの繁殖､輸出入､および生きたクジラとイルカの捕獲を禁止するものです。 マリンランドとバンクーバー水族館に残っているイルカ､シャチ､シロイルカが最後の飼育になります。
海洋公園や水族館でイルカが苦しんでいることを周りの人に知らせて、一緒に活動を続きましょう。
